Ayu in Taiwan

台湾で生活しながら、日々の暮らし、旅行、そして中国語や心のことなど綴ってます。

台湾映画『關於我和鬼變成家人那件事』

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この映画、かなり評判が高くて、すごく笑えて最後は泣ける、台湾の社会問題も描かれているといろいろな人が言っていので、私も見てきた。公開開始からもう1ヶ月くらい経つのに、まだまだ観客がいっぱいだった。

題名を和訳すると『僕と幽霊が家族になった件について』というところかな?

台湾には冥婚という風習がある。自分の娘がまだ若く未婚で亡くなってしまった場合、その子の髪の毛や爪や写真などを紅包という赤いご祝儀袋に入れて道端に置いておく。独身男性が偶然それを拾ったら、遺族が亡くなった娘とその男性をむりやり結婚させるというものだ。

道端に落ちている紅包は絶対に拾ってはいけないという話をよく聞くので、今でも行われることがある風習なのかなぁ?

映画は、おばあちゃんが亡くなった孫シアオマオの髪や爪を切って紅包に入れるところから始まる。ただシアオマオは女性ではなくLGBTの男性だ。そして運悪く紅包を拾った刑事のミンハンは異性愛者だった。もちろん相手が女性だろうと男性だろうと、冥婚をさせられるのは誰でも受け入れ難いことだと思う。いろいろあって逃げ切れなくなったミンハンがしかたなく結婚式に応じると、その夜、ミンハンの家に幽霊になったシアオマオが現れて自分のことを「夫」と呼べという...という、わりとありがちな話の展開だった。

コメディで、けっこう際どい笑いどころが多かった。刑事ものでもあるので、カーチェイスや銃撃戦という迫力のある場面も映像も、きれいでスピード感があっておもしろかった。
全体に笑って、泣けて、ほっこりするという、お正月映画(なのかな?)らしい映画だった。

あと、鍛え上げた男性が好きな人は眼福かも?
ミンハンを演じた俳優の許光漢はモデルもしてるだけあって、背が高くて顔が小さくて、めちゃめちゃスタイルが良かった!

重要な役割を果たす同僚の女性刑事の過去が、とてつもなく壮絶そうなのに、あれっ?と思うくらい軽く描かれてたり、主人公のミンハンの胸を銃が貫通するのに、次の日には普通病棟のベッドに、しかも少し起こして!普通にもたれていたり、ちょっと細かいとこ気になっちゃったけど、ま、コメディなのでいいのかな?
うん、いいのか。だって悪役も全員なんとなく憎めない感じで、この場面でそれ?みたいなシーンも多かった。(今更なっとく)

おもしろくて、ちょっとほっこりして、見終わったあと気分がよくなるような映画でした。

LGBTの現状を描いているみたいなところが、今の社会の問題も描いているってことだったのか?
そういえば、シアオマオの生前の彼は、実は結婚したくなかったと言っていた。同性婚が認められてる台湾でも、それだけでは問題は解決していないということ?
その辺が勉強不足でよくわからないまま、ただただ笑って見てしまったけど。