読書記録『わたしのマトカ』
『かもめ食堂』のロケで長期滞在したフィンランドでのできごとを中心に、国内外の旅の思い出も綴られたエッセイ『わたしのマトカ』https://amzn.asia/d/2HuQBmW
片桐はいりさんの映像作品をそんなにたくさん見たことがあるわけではないけど、いつも個性的で特別な感性を感じる役が多いので、普段考えていることもぶっ飛んでるのかなと思ってたけど、物事の感じ方が共感できて、うんうんと思いながら読んだ。
読みながら自分の旅もいろいろ思い出していた。
海外に居ると言葉の問題もあり、異文化なのでどうするのが正解か分からないこともあって、楽しんでるんだけど、少し窮屈……行ってる場所は違うけど、あの感じがありありと蘇ってきた。もちろんあとからは全ていい思い出やおもしろエピソードとして語ってしまうから、その時の微妙な違和感って伝えにくい。
まぁ、実際は、読み進めるうちに、ん?こんなことは普通はできないよね?ってことがさらりと書かれていたので、よく考えれば、やっぱりすごくぶっ飛んでる人なんだろうなぁ。
とても普通に感じたのは、描写のしかたや、その時思ったことが、淡々とさりげない文章で書かれていたせいかもしれない。いろんなエピソードを読むうちに、待って私にはこんなことできないないし、したことないし、こんなふうにはならないし、やっぱりこの方すごい!となった。
まぁ、私だって今だに台湾をさまよってる旅人みたいなものだもんなぁ。溶け込んでいるようで溶け込んでない、わかっているようでわかってない、いつかはこの地を去ってしまう旅人。
そういえば、中国語でも旅は「旅」なんだけど、日本に住んでいる華人のことを「旅日華僑」(日本の国籍を取得しないで日本に住んでいる華僑を指す)と言ったりする。直訳すれば「日本を旅する華僑」...なんだかちょっと異国にいる切なさを感じる。
それなら私も「旅台日僑」台湾を旅する邦人、かな?