Ayu in Taiwan

台湾で生活しながら、日々の暮らし、旅行、そして中国語や心のことなど綴ってます。

明星咖啡館と北京の思い出

莫斯科餐厅(モスクワレストラン)の思い出

以前から気になっていた明星咖啡館(Astria Cafe)に行ってみた。ロシアにルーツのあるレストランだ。

窓の外に城隍廟というお寺が見えるのが台湾っぽくていい

2、3階部分がレストランで、1階は明星西點という西洋菓子のお店になっている。
1949年創業の歴史あるお店だけど、1922年に上海で開店したお店が元になっているらしいので、そこから数えると立派な百年老店(100年以上の老舗)ということになる!

ロシア料理といえば、北京に留学していた頃行ったモスクワレストラン(莫斯科餐厅)の思い出話が私と夫の定番なので、今回もその話に花が咲いた。
留学仲間のカナダ人と香港人と一緒に行った思い出。
細かい部分は覚えていないんだけど、とにかく体育館のようにだだっ広くて、天井の高い広間にズラッとテーブルが並んでいて、とても背の高い窓がたくさんあるレストランだった。
日本の片田舎に住んでいた私は、ロシア料理なんて食べたことなかったから、ボルシチピロシキやパンが珍しくて美味しい!と思った記憶はあるけど、どんな味だったかはもう思い出せない。
ただ、当時の北京はそういう威風堂々とした、やたらでっかいロシア風の建物が多かったし、本格的なロシアの黒パンも売っていたりして、なんとなくロシアを身近に感じていた。
ロシアの黒パンも、もちろん北京で初めて食べたんだけど、あのちょっと酸っぱくて硬いパンを、薄めに切って電熱器(当時、ちょっとした調理ができるように多くの留学生が買って部屋に置いていた)で少しあぶると本当に美味しかった!
世の中にはこんなに美味しいものがあるんだ!と思ったなぁ。
硬めの黒パンが好きなのはあの感動が忘れられないからかな?

ロシア料理やパンに限らず、北京留学では本当に今まで知らなかった世界、特に食の世界が開かれたと思う。
中国料理は、日本の片田舎で食べられる中華とは全くの別物だと北京で初めて知った。
餃子一つ取っても、北京では餃子といえば水餃子のことで、味も具も日本のとは違ったし、何より焼き餃子は「锅贴」と名前も違って、別物のような顔をしていた。
今では日本でも「棒餃子」というのがあるけど、当時はこれが餃子?という感じだった。もちろんどちらも美味しんだけど。
そして、北京にはウイグル人が多く、ウイグル料理のお店もたくさんあった。そこで羊肉の美味しさにびっくりしたし、窯焼きのウイグルのパンもあまりに美味しくて、たまにそれだけ買って、料理の付け合せにするでもなく食べていた。

あの北京での留学生活が、私の食の原体験になっていて、それからいろいろなエスニック料理を食べてみたいって思うようになった。
今みたいに予めネットでなんでも知っているわけじゃないほうが、体験としてのインパクトが大きくて、自分の中の常識みたいなものが一瞬で書き換えられたからかもしれない。
こんなに何十年も経っているのに、まだあの頃の思い出の影響を受けているのだから。

明星咖啡館の料理

レトロ感もあって、とてもいい感じ。ロシア料理のお店、というか洋食屋さんって感じがする

ロシア料理といえばのボルシチ

私のメインはローストチキン、付け合わせのポテトがビーツで赤く色付けされていた

菓子店のほうで売っていたのを見た時から食べてみたかったロシア風マシュマロ(奥の白くて四角いほう)
クルミも入っていてふわっむにっとした触感で、でも意外とさっくりかみ切れる、甘ったるいこともなく濃いお茶に合う感じの不思議なお菓子だった

ロシア風マシュマロは中国語名は俄羅斯軟糖、直訳すればロシアのソフトキャンディという名前で、ずっとギモーヴってこんな感じかな?と思ってんだけど、今回調べたらゼフィールというロシアのマシュマロがあるらしいというのが分かった。
ギモーヴもゼフィールも食べたことがないから、どちらに近いのかは全然わからないんだけど、すくなくとも普通のマシュマロとは全然違うものだ。

 

明星咖啡館⇩

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