散歩しながら広東語を考えて、割包を食べて台湾語を考える
前日の午後から雷を伴う大雨が降って、夜はかなり涼しくなっていたし、朝からクーラーなしでもそんなに暑く感じなかった。
これは、もしかして待ちに待った秋の気配?じゃあ、ちょっと外を歩くのも平気かな?
なんて軽い気持ちになって出かけたのが運の尽き。
普通に真夏の暑さだった。
しかもわりと蒸し蒸し...うーん、思ってたのと全然違う。
一番近いYouBike(シェア自転車)のポートに1台もなかったから、ま、歩くかくらいの軽い気持ちで歩き始めて、結局、途中でポートが見つからなかったから、スーパーまで来てしまった。
こんな日にぴったりな広東語を思い出す。
天氣好好,不過好熱!(天気はいいけど、暑い!)
口に出して言ってみると、ちょっと嬉しい。
重慶北路という道の看板を見て広東語読みしようとしたけど、慶は読み方が分からないし、重と路は声調が不確かで、はっきり読み方がわかるのは「北」だけだった。
そういえば、上海に行きたての頃も、こうやって看板を中国語で読んで、読めないものは辞書で調べて、中国語で発音できる字を増やしたなぁ。
中国語は1つの読み方しかない字が多くて、組み合わせや意味によって読み方が変わることが少ないので、その一字が読めれば、同じ字が出てきたら同じ読み方で大体いけるから、この勉強法は効率がいいと思う。
いつも思うけど、日本語を勉強してる中国語ネイティブは、地名や人名や熟語によって同じ漢字でもいろんな読み方を覚えなきゃいけないことに憤りを感じないんだろうか。
スーパーで買い物を終えたら、荷物が重くなって、少し歩いただけで汗だくになった。
広東語ではまだあまり複雑なことは言えないので、好攰啊。(疲れたなぁ)と呟いてみた。
でもこういう時に広東語でなんて言うかなって思って、一応なにか出てくるようになったのは、嬉しいなぁ。
もっと広東語でも独り言呟いてたら、上達するかな?
で、やっとお目当てのお店に。
なんだか割包が食べたくなって、一番近くて美味しそうなここに買いに来たんだ。
肉は赤身か脂身、そのミックスかが選べる。他のお店もそうだったから、台湾の割包はみんなそうなのかな?脂身の苦手な私にはありがたいシステムだ。
日本の中華街でも似たものがあるけど、肉は角煮だった。こちらのお肉は柔らかいけどもっと薄い豚肉で、他にここのは、たぶん煮たピーマンと、細かく刻んだ雪菜という漬物が入っていた。
日本でもたしかクワパオって呼ばれていたと思うんだけど、漢字で書くと「割包」になる。この字を日本でも見たことがあったから、「割」は一般的には「ge(第2声)」だけど、多音字(中国語には珍しい複数の読み方が存在する字)で、「gua」という読み方もあるんだと思っていた…ら、違った。
台湾に来てから「割包」だけでなく「刈包」という字も見て、しかも台湾人はどちらも「gua bao」という。なんか変だなぁと思って、辞書を見たら、「割」には「gua」なんて読み方はなくて、「刈」のほうは「yi(第4声)」だった!
衝撃。
「gua」(第4声のように聞こえる)は台湾語だったのだ。
台湾に来て、本当に台湾語が華語の中に混在していて不可分だなぁと感じる。
だってこれを誰も「ge bao」と発音しない。
こういう漢字なので華語でも発音できるけど、必ず台湾語で発音する食べ物の名前はけっこう多い。
夜市には必ずあるちっちゃい牡蠣入りの台湾風オムレツ「蚵仔煎」(オアチェンのように聞こえる)も台湾語だし、「麻糬」(ムァチィのような発音で、聞いて分かる通り「もち」のようなお菓子)も台湾語だ。
そういうことも台湾に来なかったら、分からなかったなぁ。
本当は台湾語を勉強するのがいいと思うんだけど、でも今はとにかく広東語が楽しすぎるので、つい広東語を勉強してしまう。
台湾でわざわざ広東語…私はやっぱりひねくれものなのかなぁ・・・。
でも台湾に来る観光客第一位は香港人だそうだよ!(言い訳にはなっていない)