Ayu in Taiwan

台湾で生活しながら、日々の暮らし、旅行、そして中国語や心のことなど綴ってます。

おばさんだけど「おばさん」じゃない自分

ちょっとお仕事的な大切な用事があって、朝から出かけた。

遅れてはいけないと思って早く出て、MRTより早いかもとYouBike(台北のシェア自転車)に乗って行ったら、思ったより早く目的地付近に着いてしまった。
早すぎるのも気まずいので、YouBikeの停車スポットの目の前にあった公園をブラブラしてみた。

道路に囲まれた街中にある小さな公園だけど、濃いピンク色の寒桜がちょうど満開だった。

熱心に写真を撮っているおばさんたち……自分と同じくらいの年齢の女性のことって、なんて呼称したらいいんでしょうね?私が相手を「おばさん」と言ったら、まるで自分はまだそこに含まれてないって思ってるみたいで傲慢な気がする。気にしすぎかな?それとも心のどこかで、まだ自分のほうが若いって思ってるから相手を「おばさん」と形容してしまうんだろうか…?

とにかく、近所の人たちかなぁ?その中の一人が、他の人の写真を撮ってあげると言って、いろいろポーズに注文を付けたり、映り込む他の人をどかしたりしていた。

ちょっと図々しい「おばさん」だなぁ、と思いながら私もせっかくだから寒桜の写真を撮っていると、みんなの写真を騒がしく撮っていたその「おばさん」が、急に私に「あなたの写真も撮ってあげようか?」と話しかけてきた。

「えっ、いいんですか?」

「いいのよー、写真撮る練習してるんだから」

「じゃあ、お願いします」

スマホを渡すと、「まずはアップね、それから引きも撮るから」とか、下したリュックを木の根元に置いていたので「あらあらカバン映り込んじゃってる、もう一回ね」とか、「後ろのあなた、じゃまじゃまどいて!」とか……やっぱりかなり騒がしい感じで何枚か写真を撮ってくれた。

その時、あー、こういう感じいいなぁと思った。にぎやかで明るくて、ちょっと図々しい感じはするけど、お節介なのか親切なのか、でもとにかく相手がこうしてほしいんじゃないかなって思ったことをすぐ行動に移せるような人、私もこうなりたいなと思った。

若い頃、自分も中高年になれば、おのずと言いたいことややりたいことを人の目を気にせずできるくらい図々しくなるんだと思っていた。つまり、自然とこの人のようになるんだと信じてた。

でも、違った。

それって元々の性格によるみたいだ。年齢と共に多少は図々しく振る舞えるようにはなった。でも人の目を気にして、考えすぎて、すぐに悩んで、落ち込んで...少しよく言えばとても繊細、実のところ自意識が過剰な私の本質は幾つになってもそのままらしい。

だからこういう人を見ると「おばさん」って思っちゃうのかな?『わたしンち』ってアニメのみかんちゃんのお母さんみたいなおばさんらしいおばさん。どちらかといえばいろんなことにビクビクしがちな自分からしたら、やっぱり彼女たちは私より精神的にとても歳上の人だ。だから瞬時に「おばさん」と思ってしまうのかも。

私の本質もあんなふうにあっけらかんとした性質だったら良かったな。思ったことをとりあえず言ってみるとか、自分のいいと思うことをとりあえずやってみるとか...もちろんそういう人は私とはまた違う悩みや失敗もあるのかもしれないけど。

そんな「おばさん」になりたいと思って、表面的に真似したとしても、本質を変えることはできないから、自分は自分の持ってるもので生きていくしかない。(ってことに最近やっと気が付いたんだった...)

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公園から出る時、もう一度勇気を出して「写真撮ってくれてありがとう!バイバイ」と言ってみたら、笑顔で「いいのよー、バイバイ!」と。

こんな簡単な一言にも勇気とか思ってる自分って、やっぱり面倒だな。でもまあ言えて良かった。